本文へスキップ

東京都立大学 システムデザイン研究科

Tokyo Metropolitan University
System Control Engineering
Kojima Laboratory

交通流・群集のモデル化とスマートシティ構築
Modeling of Social System

交通流のモデリングと評価

 交通渋滞は深刻な社会問題であり,国内において渋滞がもたらす経済損失は12兆円を超えると言われます.特に,低速運転による非効率な走行の改善は環境負荷の軽減につながるため,交通流の予測と解析に有用な交通流モデルについて様々な研究が行われてきました.
 これまで我々の研究室では,ミクロモデルのひとつである MLD(Mixed Logical Dynamical)システム表現を用いて交通流をモデル化する方法を開発し,渋滞発生の原因となる自由流から渋滞流への相転移が再現できることを明らかにしました.このような微視的アプローチは,車両間の相互作用を適切に定めることにより,巨視的な挙動を創出する潜在性をもつため,渋滞の成長過程の検証,情報通信技術ITCの車群への普及と交通流改善の関係など,交通流科学が直面する課題を的確につかみ新たな制御手法を導くことが可能になると期待されます.
 現在までの研究から,1) 2車線交通流シミュレーションにおける車線変更と交通流量の関係,2) ACC(Adaptive Cruise Control)普及時に想定される交通流特性,が提案モデルから明らかにされています.



ハイブリッドシステム表現を用いた群集挙動のモデリング

 人間の行動特徴を把握し群集挙動を予測することは,都市計画や建築設計の安全性や快適性等の評価に有効であると考えられています.特に混雑時や特殊な歩行空間における群集挙動の予測は,実測が難しく予測シミュレーションが有用な手法になります.
 これまで我々の研究室では,MLD システムとよぶハイブリッドシステムモデルに基づき,新たな群集挙動モデルを開発してきました.そして,歩行者の動特性を考慮した経路計画や複雑な行動が再現できることを示し,応用例として避難時の部屋からの退出行動がシミュレーションにより提示できることを確認しています. しかしながら,群集を構成する各歩行者の心理学的特性について,これまで十分に考慮されておらず,平常時の挙動は必ずしも明確ではありません.良く知られているように,人間の行動はその心理学的特性を反映して大きく変化するため,予測シミュレーションに際しても外的要因に応じた心理状態と,これに起因した行動特性をモデルへ含める必要が出てきます.
 本研究では,これまでに提案されてきた群集挙動モデルに,パーソナルスペースの論理を導入した新たな検討が行われています.そして,1) 人間はパーソナルスペースに他人が入らないように行動すること,2) 密度が高くなると人間はパーソナルスペースを小さくすること,に着目し,駅・公共スペース等の歩行者流動の評価を目的とした展開研究を行っています.





バナースペース

ADDRESS

東京都立大学
大学院 システムデザイン研究科
機械システム工学域
システム制御工学 児島研究室
〒191-0065 東京都日野市旭が丘6-6
        5号館 201b, 207号室