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東京都立大学 システムデザイン研究科

Tokyo Metropolitan University
System Control Engineering
Kojima Laboratory

ディーゼルエンジンの制御, 鉄鋼システムの制御Steel-Rolling System, Engine System

排出ガス後処理システムの触媒温度制御

 ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ熱効率が高く,特に商用車や建設機械など大型車で広く用いられてきました. そして排出ガス後処理では,環境対策のためNOxを浄化する選択的還元触媒(SCR)と 粒子状物質PMを浄化するディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)を 使ったシステムが構成され,NOxはSCRシステムで尿素水(アンモニア)との 還元反応により浄化されています. しかしながら,SCR システムにおける還元反応の効率はその温度に大きく依存するため, 今後厳格化するNOx規制を満たすためには,速やかにSCR温度を 上昇させ還元反応を最も効率的な温度範囲で管理することが必要になります.
  本研究では,排出ガスの伝熱特性を適切な数理モデルにより表わし, さらに予測型のロバスト制御法を導入することにより, 多様な環境で良好な制御性能を達成する制御システムを構築しています.



ディーゼルエンジン吸気系の制御

 近年,地球温暖化を起因とする様々な問題に対応するため,温室効果ガス削減の試みが世界規模で進められています. このような背景で,ディーゼルエンジンは,その熱効率の良さや CO2 排出量の少なさなどのメリットから注目を集めています. かつてディーゼルエンジンは,粒子状物質 PM や窒素酸化物 NOx など大気汚染を引き起こす物質を排出することが問題とされていましたが, これら問題物質の低減は技術革新により一定水準まで達成され,世界最高レベルの排出ガス規制であるポスト新長期規制に対応したディーゼル車が, 投入されつつあります.
 本研究では,ディーゼルエンジン吸気系に着目し,Explicit MPC (Model Predictive Control) とよぶモデル予測制御則のオフライン設計法から,良好な応答を達成する制御系の構成法を明らかにしています.一般にモデル予測制御法は, 対象の制約を考慮した合理的な制御方策を与えることが知られていますが,予測モデルをコントローラに組み込み, さらにサンプル周期以内に最適化計算を行うことが負荷となるため,エンジンのように動特性の速い対象において実装は容易ではありません. また,ディーゼルエンジン吸気系は,運転状態(エンジン回転数,燃料噴射量)により動特性が大きく変化するため, 運転状態の移行時に対応して補間的な制御信号を高速で計算することも必要になります. これまでの研究では,モデル予測制御法の有用性に着目し,制約を考慮した最適レギュレータを Explicit MPC により構成する方法を開発しています. そして,制御則の補間法を導き,運転モードを変化させる過渡状態において,制御性能をシミュレーション・実機実験を含めて検討しています(共同研究).



冷間圧延システムの板厚張力制御

 鉄鋼システムは,高炉から圧延に至るまで高度な制御法が確立された様々なプロセスから構成されています.中でも冷間圧延工程は,製品品質を決定づける重要なプロセスであり,その制御性能の改善は製品品質に直結します.
 本研究では,タンデム冷間圧延機とよぶ冷間圧延システムに着目し,圧延スタンドのワークロール周速とロールギャップを制御することにより, 想定される圧延速度において良好な応答を達成する制御系の構成法を明らかにしています.そして,板厚・張力変動を考慮したロバストな制御系の構成法を導き,さらには目標値の変化に速やかに追従する予見制御法が導入されています(共同研究).





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