電子情報システム工学科
近年の国勢調査によれば、わが国における技術者の種類別割合では「情報系技術者」が最も多く、次いで「電気・電子・通信系技術者」が多いとされています。しかも、これらを合わせると、全技術者の半数を上回る比率を占めるという結果になります。まさに、情報系と電気電子通信系は、この国の社会と産業の維持・発展に必要不可欠な技術分野であると言えるでしょう。
こうした背景を踏まえて、電子情報システム工学科では、「情報システムコース」と「電気通信システムコース」の二つの教育課程を設置しています。情報技術分野と電気電子通信技術分野は密接に関係しており、特に、両者の境界・融合領域として通信系技術が位置付けられます。
本学科では、「情報ネットワークシステム領域」、「通信システム領域」、「エネルギー情報システム領域」の三つを教育・研究体系の主要な柱と考え、情報システムコースでは情報ネットワークシステム領域と通信システム領域を中心とした学びの体系を、また、電気通信システムコースでは通信システム領域とエネルギー情報システム領域を中心とした学びの体系を提供します。現在及び未来の社会・産業の要請に応え得る、情報システム技術や電気電子通信システム技術の素養と実践力をソフトウェアからハードウェアまで幅広く身に付け、それらの技術を融合した新たな技術を創生できる「底力」のある技術者・研究者を育みます。
情報システムコース
今日のわが国においては、人災や天災への対策、防犯、防疫、食品の安全性の確保、社会の高齢化、行政の電子化に伴う個人情報の保護といった、現代の社会・産業が抱える諸問題がクローズアップされ、それらの解決が求められています。これらの問題に対処するには、情報を効果的に収集し、それを円滑に流通させ、さらに適切に処理することが極めて重要です。それらは、高度情報化社会を実現し持続的に発展させていくための技術的な基盤としてだけでなく、著しい成長を続ける情報技術産業をはじめとする全ての産業を支える基幹技術としても不可欠です。「情報システムコース」では、このような社会と産業の発展に寄与する情報システム関連技術を幅広く学び、新時代を切り拓くことのできるICT(information and communication technology)技術者・研究者を育成します。
この目的を達成するために、安全で円滑な情報の流通をもたらす情報ネットワーク分野や、社会を構成する人間とそれを取り巻く環境に対する効果的なセンシングなどを実現する通信技術分野、社会及び産業の視点からシステムを解析、評価、設計、最適化する社会情報システム分野といった、複合的な学問領域において、上記の諸問題にアプローチすることを目指した総合的な教育を行うのが「情報システムコース」の特色です。
電気通信システムコース
電気電子通信システム技術は、人々の生活を支えるライフラインとしての電力供給から、情報通信機器、運輸、社会システム、医療・生命科学、宇宙開発、環境、その他極めて多様な分野において不可欠とされる技術です。また、将来の新しい技術の要所にも電気電子通信システム分野の知識が重要な役割を果たします。さらに近未来には、人類の活動エネルギーのほとんどが、電気エネルギーに依存すると予想されています。
「電気通信システムコース」では、このような多様な分野の技術に関わることができ、その発展に貢献できる人材を育みます。具体的には電気・電子の材料とその特性、電磁気学、電気電子回路、制御理論、エネルギーの変換・制御、情報通信、情報処理に関する分野を学ぶと同時に、それらを取り巻く分野や領域を越えた新しい学問を、理論及び実験を通して効果的・効率的に学修します。また、卒業後の進路である企業の専門技術者、あるいは研究者にとって不可欠な技術の核となる基礎力や応用力を、そして、技術者としてだけでなく、社会人として生涯にわたり自己を磨き向上させることのできる力を身に付けます。これにより、幅広い技術分野において主体的に課題を発見・解決をし、将来リーダーとして活躍することのできる人材へと成長します。
カリキュラム
「情報システムコース」、「電気通信システムコース」とも、1年次および2年次前期には、教養科目や基礎科目を学び、基礎学力と幅広い視野を養います。併せて専門教育科目の共通基礎科目やコース導入科目を履修し、専門分野への自分の興味と適性を見極めながら、高度な知識の修得に備えます。2年次後期からは、自らの将来ビジョンや関心にあわせて、二つのコースのどちらかを選択します。情報システム技術、あるいは電気電子通信システム技術の専門家となるためのコース専門科目と実験科目がそれぞれに用意されています。3年次後期には、本学科が主要な教育・研究の柱として位置付ける、情報ネットワークシステム領域、通信システム領域、エネルギー情報システム領域から提供される領域専門科目の履修が始まります。各自が興味あるテーマや、後の研究課題につながる内容などを意識しながら専門性を高めていきます。4年次では、指導教員一人に対して4人程度の学生という恵まれた環境のもと、電子情報システム工学特別研究を履修し、具体的なテーマに取り組みながら研究の手法を学び、問題解決能力を養います。本学科のカリキュラムは、ソフトウェアからハードウェアまでの、あるいは情報からエネルギーまでの極めて広い範囲で多彩な科目を配当しており、コースの枠を越えて情報システム技術と電気電子通信システム技術を修得できるよう、学問的な系統を重視しながらも比較的自由度の高い編成となっていることも特徴です。
求める学生像
- 情報システム技術、電気電子通信システム技術、またそれらを融合した新しい技術を社会や産業に展開することに興味を持っている人
- 新しいことへチャレンジする精神が旺盛で、技術者に必要な課題発見能力、計画立案・遂行能力、チームワークなどの素養を身につけたい人
- ソフトウェアとハードウェアを総合的に学びたい人
履修モデル
情報システムコース
電気通信システムコース
取得可能な資格・免許
- 学士(工学):卒業を要件として取得できます。
- 第一級陸上特殊無線技士、第三級海上特殊無線技士:所定の科目の単位の修得並びに卒業を要件として取得できます。
- 電気主任技術者:所定科目の単位を修得して卒業後、一定の実務経験を経て経済産業省に申請できます。(電気通信システムコースのみ)
卒業後の進路
主な進学先
【学部 卒業生】
東京都立大学大学院 東京大学大学院 東京工業大学大学院 東京大学大学院 慶応義塾大学大学院 早稲田大学大学院
主な就職先
【学部 卒業生】
NTTデータ 東日本電信電話(NTT東日本) 日本電気 日立製作所 富士通 日本アイ・ビー・エム キヤノン 東京電力ホールディングス コニカミノルタ チームラボ 岩崎通信機 東海旅客鉄道 デンソー 東京都庁 京セラ 国土交通省 日本総合研究所 日鉄ソリューションズ ソフトバンク 野村総合研究所
【博士前期課程 修了生】
日本通信電話 東日本通信電話 日本電気 日本アイ・ビー・エム 日立製作所 東京電力ホームソニー 本田技研工業 富士通 三菱電機 ヤフー トヨタ自動車 東海旅客鉄道 NTTデータ 富士電機 野村総合研究所 コニカミノルタ キヤノン 日本放送協会(NHK) キーエンス
【博士後期課程 修了生】
東京都立大学 大阪大学 名古屋工業大学 青山学院大学 千葉工業大学 デンソー 日立製作所 日産自動車
※(2017~2021年度実績を掲載しています。)
教員一覧
入学者の受入れに関する方針(アドミッションポリシー)
全学サイト『「卒業の認定に関する方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者の受入れに関する方針」【新組織】』ページの「アドミッションポリシー」をご確認下さい。
卒業の認定に関する方針(ディプロマポリシー)/教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラムポリシー)
全学サイト『「卒業の認定に関する方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者の受入れに関する方針」【新組織】』ページの「ディプロマ・ポリシー&カリキュラム・ポリシー」をご確認下さい。