航空宇宙システム工学コース
概要説明
航空機やロケットの技術に求められる高い信頼性や、宇宙空間という特殊環境での利用を想定した技術や機器の開発など、航空宇宙工学はさまざまな工学系学問の最先端領域の知識や技術を必要とする「総合工学」です。そのため、本コースでは数学や物理学、化学などの専門基礎をベースに、空気力学、推進工学、材料構造力学、飛行力学、制御工学を中心とした航空宇宙工学に必須の科目を学びます。また、これらに宇宙情報通信や宇宙環境利用などの応用科目を加え、幅広い分野で活躍できる人材育成のための教育プログラムを用意しています。
本コースの強みは、充実した実験・実習施設です。大型の低速風洞を始め、遷・超音速風洞、ジェットエンジン、小型ロケットエンジン、真空チャンバー、模擬無重力実験装置、高温疲労試験装置、騒音・振動試験用エンクロージングなどの実験・計測装置が設置され、実際の装置を使っての実践教育がエンジニアとしての能力やセンス、さらには応用力を身につけるのに役立っています。
また、本コースでは宇宙航空研究開発機構や情報通信研究機構と教育研究面での連携を進め、学生の派遣や航空宇宙工学の第一線で活躍する同研究所の研究者による講義など、積極的な交流を通じてさらなる実践的レベルの向上を図っています。
カリキュラムの特色
本コースのカリキュラムは、空気力学と熱・推進工学分野、航空機や宇宙機の力学と制御および宇宙利用分野、そして、航空機やロケットの材料・構造力学分野の3つに大きく分けられ、1年次から3年次の間に、講義・演習・実験をバランス良く修得できるようになっています。4年次になると研究室に配属され、教員1名当たり4~5名という少人数指導体制のもとで特別研究が始まります。本コースではこれらの教育を通じて、世界に通用する技術者を育成します。
求められる学生像
本コースを学ぶにあたっては、先進的な航空宇宙工学を学ぶのに十分な数学や物理、そして英語などの基礎学力をもっていることが求められます。その上で、航空機やロケットなどの航空宇宙輸送システムならびに宇宙の開発利用に興味がある人、また航空宇宙システムについて新技術の開発に挑戦してみたいという人を求めています。さらに本コースでは、鳥人間コンテストや学生室内飛行ロボットコンテスト、衛星設計コンテストへの出場など、学生自身による自主的な活動も積極的に支援していますので、そうした活動に興味がある人も大歓迎です。
履修モデル
区分 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||
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基礎科目群 | 基礎ゼミナール、情報科目、言語科目、理系共通基礎科目、保健体育科目、キャリア教育 | |||||
教養科目群 | 都市・社会・環境、文化・芸術・歴史、生命・人間・健康、科学・技術・産業 | |||||
基盤科目群 | 人文科学領域、社会科学領域、自然科学領域、健康科学領域 | |||||
専 |
選 択 必 修 科 目 |
航空宇宙 基礎科目 |
航空宇宙工学概論 | 流体力学1、熱力学1 | 航空宇宙工学実験1 | |
基礎振動工学 | 制御プログラミング演習 | |||||
流体力学2、熱力学2 | 数値解析演習 | |||||
基礎制御工学 | 航空宇宙工学実験2 | |||||
応用数学力学演習 | ||||||
設計製図 | ||||||
空力・推進 分野科目 |
空気力学1 | 数値流体力学演習 | ||||
数値流体力学1、推進工学1 | ||||||
熱輸送工学、熱力学演習 | ||||||
空気力学2、数値流体力学2 | ||||||
推進工学2、燃焼工学 | ||||||
宇宙推進システム工学 | ||||||
制御・宇宙利用 分野科目 |
航空宇宙制御工学 | 宇宙プロジェクト工学 | ||||
宇宙機制御工学 | 宇宙機システム工学演習 | |||||
航空宇宙情報システム工学 | ||||||
宇宙航行力学、飛行力学 | ||||||
宇宙電波工学 | ||||||
材料・構造 分野科目 |
材料強度学 | 弾性力学、材料組織学 | 航空宇宙構造力学2 | |||
航空宇宙材料学 | 航空宇宙構造力学1 | 材料構造力学演習 | ||||
航空振動工学、飛行機設計論 | ||||||
特別研究(必修) | 航空宇宙システム工学特別研究1 | |||||
航空宇宙システム工学特別研究2 | ||||||
学部共通科目(選択) | システムデザイン論 | 科学技術英語第一 | ||||
インターンシップ | 科学技術英語第二 | |||||
産業と法規 |
教務課HPの「システムデザイン学部授業概要」もご確認下さい。
http://www.kisokyo.tmu.ac.jp/kyomu/jugyou/index.html#SD
取得できる資格・免許
学士(工学):卒業を要件として取得できます。
卒業後の進路
就職先
三菱重工業、IHI、富士重工業、全日空、スカイネットアジア、NEC、IBM、ホンダ、日産、スズキ、ヤマハ、日野自動車、東京地下鉄、JR東日本、京セラ、三井造船、防衛省科学技術本部、リコー など
進学先
東京都立大学大学院 など
アドミッションポリシー
航空宇宙システム工学コースでは、次のような学生を求めます。
- 数学・理科・英語において、先進的な航空宇宙工学を習得するに十分な基礎学力を持つ人
- 宇宙の開発利用、航空機やロケットなどの航空宇宙輸送システムに興味を持つ人
- 航空宇宙工学において、新技術の研究・開発に取り組む積極性を有する人
一般選抜
試験教科
- (前期)
- 第一次選抜(大学入試センター試験)
必須教科:国語、数学、理科、外国語 - 第二次選抜(個別学力検査
必須教科:数学、理科、外国語
- 第一次選抜(大学入試センター試験)
- (後期)
- 第一次選抜(大学入試センター試験)
必須教科:国語、数学、理科、外国語 - 第二次選抜(個別学力検査)
必須教科:数学
- 第一次選抜(大学入試センター試験)
推 薦
選考方法等
- 一般推薦入試
- 出願書類、小論文、面接及び口頭試問により総合的に判定
- 指定校推薦入試
- 出願書類及び面接により総合的に判定